鴨周 - Aduck’s blog

日本の事、インドネシアの事思いつくままに

電気自動車のCO2削減はどの程度なのか

電気自動車のCO2削減はどの程度なのか、ネットを見てもわかりにくいので考察してみました。

 

私個人的には100%電気自動車に転換する事は、エネルギー源の多様化によるリスクマネジメントに影響を与えるためお勧めではありません。また、電気自動車が走れない環境なども有りガソリン車、ディーゼル車の技術は継承されなければならないと思っています。継承するにはある事業規模が維持されるべきでしょう。

 

発電所がどの程度の二酸化炭素排出をしているのか環境省などのサイトで調べようとしましたが、エネルギー転換部門などの様な集計が出ており、発電所のみになるとソースデータを検証しないと見えてこないのかなと思い、非常に簡潔化して説明している産経新聞の表を参考にする事にしました。

 

www.sankei.com

 

2015年のデータですので、若干古いのですが比率は大きく変わっていないと仮定して話を進めます。発電所で排出される二酸化炭素は、32%を占めています。

 

www.mlit.go.jp

 

国土交通省のサイトにある。自家用車の二酸化炭素総排出量は、9,796万トンとなっており、これが全て電気自動車になると9,796万トンの二酸化炭素が削減されます。

 

response.jp

 

豊田章男社長の話をそのまま流用すると、最大で15%の発電所の増設が必要になります。上記国土交通省の表には、2018年度の二酸化炭素総排出量は11億3,800万トンとなっているので、発電所はその32%を排出しており二酸化炭素総排出量は36,416万トンとなります。発電所を15%増強したとすると5,462万トンの増加がみこまれる。

 

従って、9,796万トンの削減と5,462万トンの増加で、純減は4,235万トンとなります。

従って、11億3,800万トンの総量が10億95,654万トンとなり、ざっくり言って4%削減したとなります。

 

パリ協定では、2013年の排出量に対して26%の削減を目標としています。

 

www.env.go.jp

 

環境省の2013年の14億8000万トンとなっており、その26%とは38,480万トンの削減がひつようとなります。自家用車を全て電気自動車に転換した場合には、パリ協定の目標に対して11%程度の貢献になります。

 

少し強引な設定で計算していますので、実際の試算は専門家にやってもらいたいのですが、どんなに頑張っても電気自動車だけでは10%台の貢献しかできなさそうです。

不安定な自然エネルギー以外で二酸化炭素を発しない発電方式はやはり原子力発電ですが、二酸化炭素と引き換えに、最終処分方法も決まっていない放射性廃棄物を排出し続けます。

 

エコ活動には流行り廃りが有ります。子供の頃は森林の減少が問題視されていました。その後、フロンガスが問題になり、最近は二酸化炭素。本来の環境を考えるならこのような環境ビジネス用語に騙されず真のエコを見出す必要があるのではないでしょうか。