鴨周 - Aduck’s blog

日本の事、インドネシアの事思いつくままに

コロナ対応のお国柄 日本とインドネシア

日本政府の対応があまりよろしくないとの評価が多いようです。そして、インド株(デルタ型)で大流行を起こしてしまったインドネシアの対応と比較しながら考えてみたいと思います。

 

日本とインドネシアの置かれる状況で最も違うのは、医療レベルです。日本は健康保険で多くの人が手軽に病院へ行けます。しかし、インドネシアでは前金を払わないと診察すら受けられない事が有ります。そのために、日本の健康保険と年金が合体したような、BPJSと言う制度が近年始まりました。しかしながら、これは企業で働く人が対象で日本の様な皆保険とは趣が異なります。詳しくは以下のリンクをご参照ください。

 

hrnote.jp

 

国民の心構えの違い

財政的にも負担できない人が多いインドネシアでは、公的な医療に対して過度な期待は持っていません。街中にあるアポテックと言う薬局で薬を購入し対処する事も多々あります。処方箋が必要な薬も有りますが、ゼネリック薬品(恐らく政府の後押しもあって)が格安で出回っており、はなっから医者にかからずとも自分で薬を探して治療するような心構えが有ります。私が常用するザイロリックも1カ月分30錠で800円ほどで手に入ります(ビール好き故)。因みに、祈祷師にお願いするという伝統的な対処法もまだまだあるそうです。

このような状況なので、自宅療養だからと言って文句ダラダラと言った雰囲気は有りません。日本人よりタフな感じがします。ただ、命にかかわるので不足する酸素を自前で購入しようと長蛇の列ができたりして一時期は混乱しました。とにかく自己防衛、自己対処の心構えがあると言ってよいと思います。(私立病院に入れる一部の金持ちや外国人は別です)

 

可能性を試みる

自宅療養が中心となる中、初期的に処方される薬は、アビガン、抗生物質、咳止め、ビタミンなどです。日本では未承認のアビガンですが、私の知る限り昨年2020年の年末には処方されていました。入院した場合、レムデシベル投与や抗体薬も同時期には投与されていました。インドネシア政府の雰囲気は可能性が有る事はやってみようと言う風に感じます。

 

対応が異なる

ジャカルタでは、昨年臨時コロナ専用野戦病院を設置し2020年3月に3000床を確保しました。また、インド株(デルタ型)での陽性者急増時は、テントでの対応なども行っています。

また、本当の皆保険が行き渡る日本とは違うので、各医療機関によって対応が異なるようです。ある私立病院では、系列のある分院だけをコロナ専用にしていましたが、あとから、本院にもコロナ病床を増設して対応したりしています。コロナ専用病棟と一般病とを分けている病院もあるが、ドライブスルーで検査は対応するなど千差万別です。

※私立病院には金もうけ要素もあります。その反面、対処が早いと言う利点も有ります。

 

◎日尼比較

ロックダウン

尼:インド株蔓延初期に大統領はロックダウンを渋りました。

日:緊急事態宣言はインド株拡大初期に実施されました。

 

医療

尼:病床の増設に前向きに対処、それでもひっ迫

日:病床増設は多少行ったものの十分ではなく、医療全体のキャパシティーには余裕が有りながら、コロナ対応としてはひっ迫

 

検査

尼:2020年中に抗体検査、抗原検査、PCR検査いたるところで検査できるようなたった。

日:だいぶ検査のハードルは下がったものの、気軽ではない。

 

ワクチン

尼:シノバック、̪シノファームと言った中華製ワクチンが主流。速度が遅い。

日:ファイザー、モデルナの米国製が主流。接種速度は先進国と比較してもかなり早く、特に1回目と2回目の乖離が少ない。

 

商売

尼:現在ロックダウン中で、モールは閉鎖であるが、ワクチン証明で25%まで入場が可能になるなど試行錯誤がなされている。

日:三越の対応を見ると、イベント中止、レストランでの酒類提供停止などさほど厳しくありません。

 

まとめ

日本は、保健所が一時対応しボトルネックになるなど民間の力を使い切れておらず、せっかく高度な対応ができる民間人を飼い殺しにしている感じがする。また、医療の平等を意識しすぎて画一的な対応になりがちなところがあり、政府は規制を緩め各医療機関の判断をもって試行錯誤できる体制をとるべきではないかと思う。また、国民は国の制度に頼り過ぎず、如何に自宅療養を乗り切るか意見を発出し国の規制緩和を促すべきではないかと思う。

 

追記

日本のメディアで、「ワクチンは効かない」とやっていますが、そもそもワクチンは全ての感染を防ぐわけではありません。PCRはウイルスが体内に有るか、無いかを判定しているので、ワクチンをうった人でもウイルスに暴露されれば、体内にウイルスがある状態になります(いわゆる陽性)。そこから細胞にウイルスが入り、感染し増殖がどの程度起きるかにワクチンの抗体有る無しが関わって来るのです。

因みに、私が感染した時の横にいた人は、ファイザー接種者で感染しませんでした。